さようなら全てのエヴァンゲリオン

エヴァが終わった。

思春期をエヴァと過ごし、恐らく僕の人格形成に多大な影響を及ぼした作品。

今回は僕とエヴァの出会いから遡り

エヴァについて記していきたいと思います。


僕がエヴァと出会ったのは中学1年生、これは間違いないと思う

佐々木くんに教えてもらった記憶が強いんだけど

ブログを読み返してみると、友人たちが「エヴァってエロいよね」という会話をしていて

僕が「エヴァって何?」と聞いた事が本当に最初のきっかけだったみたいです。

こんな酷いきっかけだったっけ・・・?

でも、タシカニ、一番最初は漫画から入った気がするのです

多治見の109であるオンセンドが立っている場所は

過去リサイクルショップ店であり(3店舗ぐらい入れ替わっている)

そこに漫画も置いてあったので、友人からエヴァという存在を知り

僕はそこで漫画版エヴァをパラパラと立ち読みした気がする。

多分、その時抱いた感情は「そんなにエロくねーじゃん・・」だったと思う。

その後、その佐々木くんにエヴァを教えこまれて無事狂う訳ですが。

佐々木くんは家が近所、といっても僕は中学に上がる手前ぐらいにそこへ引っ越してきたので

(たいした距離じゃないけれど)

幼馴染って程でもなく、共通の友人と一緒に遊ぶぐらいの仲でした。

 

彼は当時からインターネット知識が豊富であり、自身のホームページも運営していた。

さらに、スーパーマリオブラザーズのゲーム画面を使ったFlashを作成していたんだけど

このFlashがかなりのクオリティで、これにおいては僕はひそかに彼を尊敬していた。

そんな彼から見せてもらったのが、世紀末救世主伝説エヴァンゲリオンというMAD

 

 

当時、MADという存在もよく知らなかったし

そもそもエヴァンゲリオン自体見た事なかったし

ここで使われている曲が、北斗の拳2のOP曲だなんて事知る由もないし

突然謎の映像を見せられたという感じでした。

この時ニコニコもまだなかったし、Youtubeも無かったと思う。

佐々木くんは、このMADをどこかのサイトから動画ファイルで開いていた記憶がある。

普通、MADは元の作品を知っていないと楽しめないと思うのですが

僕はこれを見て、今までのアニメとは明らかに違う雰囲気を感じ

それでエヴァンエリオンに興味を持ったような感じです。

更に、どういう訳か、彼は僕にいきなり旧劇エヴァを見せたのです。

なので、僕はテレビシリーズの話を知る前にいきなり例のラストシーンを知った。

何故彼がそうしたのかは謎・・

もしかしたら、こいつにはエヴァを受け入れる覚悟があるのかってのを試されたのかもしれない(ぇ

という訳で、まったく知らないキャラが、訳も分からないままに

どんどんLCLと化していく様を見せられた。

ただ、その内容は恐らく僕にとてつもない衝撃を与えた。

んで、いきなり親にDVD全セットを買わせるに至る訳です。


明朝体の特徴的なタイトル。

静止画カットを多用した、サブリミナル効果のようなOP映像。

特徴的な配色とデザインの主人公機。

聖書を母体とした、専門用語が飛び交う複雑な世界観。

そこにあわさる哲学的要素と心理学的要素。

効果音を排除し、インスト曲にあわせてエヴァが動き、敵を撃破する演出。

2001年宇宙の旅から引用されたモノリスのデザイン。

歩く名言生産機、加地リョウジ。

ミサトさんの「変なもの入れないでよ」

カヲル君を殺す直前の1分19秒の静止。

印象的に使われるクラシック音楽

これらの要素はどれも的確に僕を射抜いていき、僕はすっかりエヴァ漬けになった。

年齢もまずかった、丁度チルドレン達と同年代だった事もあり

恐らく、エヴァにドハマりする思春期の少年たちが例外なく感じる事。

つまり、碇シンジは僕自身だ・・・と思い込むに至りました。


部屋に引きこもっては一人旧劇場版を鑑賞し

「みんな僕をいらないんだ、だからみんな死んじゃえ」というシンジ君に対し

そうだよね、みんな死んじゃえばいいんだよねと同調していた。

旧劇場版はマジメに10回以上は見てると思う。

映像は今観ても美麗で、戦闘シーンにG線上のアリアを流すセンスには

「諸君、脱帽したまえ、天才だ」と思わずにはいられない。

シンジ君がアスカの首を絞めると同時に流れる甘き死よ来たれ。

子供の落書きのような絵と今までのタイトルが高速で表示される演出。

実写の映像を組み合わせ、唐突に視聴者に現実を突きつける演出。

旧劇場版は、高いクオリティのアニメーションに

ナイフのように鋭いセンスが詰め込まれていた。

今思えば、シンジ君のメンタルにがっつりシンクロした状態で、旧劇を繰り返し観るという

この上なく精神をズタボロにするような行為を、よくやっていたなと感じますが・・・。


こうして体はエヴァで出来ていた。

仲が良い訳でもなく、ほとんど話した事のないガンオタのクラスメイトと

ガンダムIフィールドエヴァのATフィールドどっちが強いか張り合ったり

(そもそも僕はガンダムIフィールドがどういう物か理解していない)

使途の名前を全部覚えてみたり(結局頭が悪いので覚えられなかった)

旧劇場版の考察本を買って、学校に持ってきたり

ミサトさんのカーペット発言の謎に考えを巡らせたり

旧劇場版の構成は、リビドーとデストルドーで対になっているという考察に深く感銘を受けたり

(これは今でも凄いと思っています)

当時1日でもエヴァの事を考えなかった日は無かった、マジで。


そしてエヴァで精神を汚染された上に

伝説のオンラインゲーム、エランシアと出会ってしまった中学生の僕は

学校にも部活にもマトモに行かなくなり

たまに学校に行っては、授業中ずっとカーテンの裏に隠れるだの

マッキーの匂いを嗅いで「くぅ~wwww」だの

完全な奇行児と化していた。

小学時代の僕は一応塾に行っていたのだけれど

中学になってからはテストでクソみたいな点を連発。

特に、小学生時代から苦手だった算数・数学については酷かった。

今思えば、あの高校に入れただけでも奇跡だったような気がする。

 

高校生になった僕をパチカスに導いたのもエヴァだった。

同じくエヴァが好きな友人に、エヴァのパチを打とうと誘われ

年齢確認されないか不安になりながらも、稼いだバイト代を握りしめホールへ行き

勝った勢いで(たかだか2万程度)バイトを辞めるという、とち狂った行為に及んでいた。

もちろん、トータルでは大損こいてます。

やがて、永井先生の影響もあり、まごスロの実機を買うまでに至る。(当時6万ほどだったかと)

反面、新劇場版については、当初そこまで興味を持っていなかった記憶がある。

新しいのやるみたいだねーぐらいの感じだったような。

序も映画館には行かずに、友人にBDで見せてもらった記憶。

その感想も、映像キレイだなぁ、Beautiful Worldいい曲だなぁ程度だったような。

更に高校生になってからは他の面白いアニメも知っていき、中学時代ほどエヴァに染まってはいなかったと思う。

しかし、友人と映画館で観た破に僕は衝撃を受けた。

 

えっ何これ・・。

 

テレビ版には無い展開、そしてテレビ版を超える面白さ。

あのエヴァンゲリオンを更に超えるエヴァンゲリオンがそこにあった。

その展開と面白さに僕の全身は弾け飛んだ、なので本当の僕は映画館の床に落ちています。

結局、破は6回ぐらい観に行ったと思う。

続きが気になる・・一体どうなってしまうんだエヴァンゲリオンは・・・

旧劇場版は旧劇場版で好きだが、今の僕は新しいエヴァンゲリオンを観たいんだ!

そしてむかえたエヴァQ

 

 

 

 

 

 

 

 

(゚Д゚)

 

 

 

 

 

 

 


(つд⊂)ゴシゴシ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


(゚Д゚)

 

 

 

 

 

なんだよこれ、フザけんなよマジで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


なぁーんぞこれぇ!!!

 

ってなりました、マジで。

旧劇場版の鬱展開とは違い、Qの鬱展開はただ単に胸糞悪いだけだった・・

10年の歳月が流れているという設定も、絶望感をより一層強くした。

もうあのエヴァは、僕の知っているエヴァの世界は帰ってこない・・。

しかし、新劇場版はところどころでループを匂わせていた。

カヲル君の発言しかり、Qのアスカは旧劇場版のアスカなのではないかという説。

そして最終作につけられた音楽記号は、終わりを意味する終止線とも読めるし

ループを意味する反復記号にも読める。

もしかしたら、最終作のどこかで旧劇場版の世界と繋がるのでは?

そうしたらとんでもない傑作になるぞ・・そんな期待もどこかにありました。

そしてまたしても待たされる我々、本当にエヴァは完結するのか・・?

エヴァオタの誰しもにそんな想いが過った事ではないだろうか。

 

そんな中唐突に決まったシン・エヴァンゲリオン劇場版公開

絶対にネタバレは嫌だ・・・!べき子は有給を発動した。

・・が延期・・・!

しかし慌てるな、延期は時世的な問題で、映画自体は完成しているんだ。

次なる公開日は予想以上に早く決まった。

しかもかなり直近、流石に今から有給は出しづらい・・

いや丁度休みやんキティル!

こうして公開日の最速上映に駆けつけ三杯(遅刻)

そしてはじまったシン・エヴァですが・・・

 

あえて多くは語らない。

率直な感想としては、微妙だったという事。

結局10年の歳月が解消される事はなく

よく分からないうちに、よく分からず終わったという印象だった。

しかし、周りの評価は僕が思っていたよりも好評。

いや分かるんだ・・そういう終わり方も・・

新キャラクターであるマリENDをありだとしても

劇中で描かれてきた2人の関係性が薄すぎて

いきなりステーキびっくりドンキーという感じ。

ループについても結局よく分からなかった・・。


しかし分かった事が1つ、これは当然、僕の物語でなければ

碇シンジの物語でもなく、庵野秀明の物語だったという事。

旧劇場版から新劇場版に至っての、庵野監督の決定的な違いは

自身が結婚をしたという事。

そして、恐らく奥さんマジLOVEぞっこん1000%LOVEという事。

仮に、庵野監督が結婚をしていなかったとしたら

シン・エヴァンゲリオンは絶対にこういう物語になっていなかった。

序から、シンジ君だけではなく、周りの登場人物がテレビ版に比べ精神面が大人になっていたし

ところどころで安野モヨコさんの絵や作品が出てきていたし

終盤のゲンドウのユイへの想いは、完全に自身の想いの代弁だった。

というか、テレビ版でもゲンドウはユイだけを想って人類補完計画を進めていたという描写だったけれど

ハッキリとした描写は無かったので、ここまで剥き出しにしてくるのが貴重というか

もう終盤はゲンドウが主人公だった。

何を考えているのか分からず、厳格な人物であるという印象のゲンドウだけれど

S-DATの繋がりも描かれ、昔の姿はシンジ君そっくりだという、この辺りの精神世界の描写は良かったです。

タシカニ、ラストはエヴァとの決別を印象付けるような終わり方でした。

ただ・・僕としては旧劇場版を超える物ではなかったという感想だった。

僕の中でのエヴァのラストは、あの旧劇場版の「気持ち悪い」なんです。

もしかしたら、Qと同じようにリアルタイムで観ていたら僕はあの内容を許せなかったかもしれない。

リアルタイムで視聴していなかったからこそ、旧劇場版の内容を受け入れる事が出来たのかもしれない。

シン・エヴァンゲリオンも、後で観る事で違う感想を抱くのかもしれない。

だけど、今の僕にとってのエヴァンゲリオンは、あの場面で終わっているのです。

多くのファンにとっては、あの終わり方と決別をする機会を与えてくれた

庵野監督に感謝をしているのかもしれない。

僕も破ではこの上ない興奮を味わったし

新しいエヴァンゲリオンの物語を作っていただいた事には素直に感謝したいと思う。


さようなら全てのエヴァンゲリオン

そして、全ての子供達に、おめでとう。